発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.25 「仕事を選ぶなら、好きな事 or 得意な事?」

得意な事をやるべきか、やりたい事をやるべきか、就活中の学生だけでなく、若手・中堅・ベテラン社員でも、一度は考えたことがあるに違いありません。

 

好きで得意なら、「天職」です。 迷うことなくその道を進んでいくことをお勧めします。

しかし、仕事というものは、スタートから終わりまで、普通複数のステップを踏んで行います。その過程で、嫌な仕事があっても、避けては通れません

 

例えば、ゲーム好きでクリエイティブな才能に恵まれている人でも、ゲームを作る仕事はチームプレーですから、結構打合せ等があって、コミュニケーションが必要です。

もし、コミュニケーションを取りたくないのなら、「天職」の付帯条項として、「他人と関わらないですむ仕事」 という一項を付け加えて、選択のハードルを上げないと勤まらないでしょう。

好きだけど得意でない事は、やっても「出来ない」ダメージを、人の言葉からのみならず、自信の喪失といったかたちで、自ら受けやすいものです。

その意味では、センシティブな感性を持つ発達障害の人には、リスクが高過ぎて、あまりお勧めできないというのが正直な気持ちです。

 

好きでないけど得意なら、仕事と割り切ってしまえばいいと思います。

得意な事なので人から褒められる機会は多いでしょうし、褒められる事が続けば、気分が良くなって、仕事そのものが好きになることもあるでしょう。

しかし、得意な仕事は、賞賛と共に「出来る人」に殺到する傾向があります。

それゆえにまた嫌いになることも。

それでも、少なくても生活費の心配をする必要はなさそうです。

「好き」を仕事とは別なフィールドに求めるのなら、悪くない選択だと思います。

 

好きでもないし、得意でもない。 これは問題外でしょう。

もし、この状態で働いているのなら、二次障害を発症する前に辞めた方がいいと思います。

発達障害の人は、基本「やりたくないことができない」特性を持っているので、やりたくないことに費やす労力やエネルギーが、定型発達者に比べて格段に多く必要です。

そのため、この状態を放置しておくと、由々しき問題が起こることがあります。

仕事には、時にリセットする勇気も必要だと思います。

 

さて、結論として、私は何がベストだと考えているかと言えば、「それなりに好きで、割と得意な事をやる」ということです。

 


一見、「好きな事はとことんやる」発達障害の人の特性を生かしきれてないように思うかもしれませんが、過集中等で頭の疲労が取れないままに、頑張るだけ頑張って潰れた当事者を多く見てきた経験から言えば、制約の少ないリラックスした環境の下で、努力をすれば成し遂げられる程度の質量のある仕事が適していると思います。

仕事が簡単すぎても、少なすぎても、働くモチベーションを損ないます

 

飽きない程度に好きで、チャレンジングな仕事に就くことが、長続きのコツなのです。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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