発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.24 「疲れやすいのには理由がある」

拙著「専門キャリアカウンセラーが教える 発達障害者『雇用』」でも「慢性的な体調不良」という項目を立ててお話ししていますが、発達障害の中でもASD(自閉症スペクトラム)の人は特に疲れやすい特性があります。

 

それは、脳機能の構造上、自律神経等の動きがコントロールしにくいことに加えて、偏食等による栄養の偏りや睡眠障害による「充電不足」、コミュニケーションを取ったり、姿勢を維持することにリソース(必要なアプリ)を使い過ぎるために起こる情報量の過多等、原因はいろいろ考えられますが、世の中はなかなか世知辛くて、そんなASDの人に合わせてはくれません。

「普通にできる事」を定型発達者(健常者)と同じようにできるために、違いを埋め合わせる努力をしたり(アプリの大量使用)、遠回りして余計な労力を使ってしまって、バッテリー不足になったスマホのようになっても(使用頻度過多)、傍目からはそんな様子が分からないので、「さぼり」「ズル」のように言われてしまうことすらあります。

 

また、これも前述の本の中で詳しく解説していますが、感覚過敏の問題もあります。

音や匂いや光に敏感なASDの人は、極端なことを言えば、工事現場でPCの仕事をしているような状態でデスクワークをしているとも言えます。

そこで、あれもこれもやらなくてはいけない仕事があったり、その優先順位が不明確であったりしたら、私なら我慢できません。

 

解決策にはいろいろありますが、まずは周囲の人が、「ASDに人って、そんなに疲れやすいのなら、他人より休憩を余分に取ったり、環境を工夫してあげないといけないね」と思っていただければ、ASDの人たちも働きやすくなることでしょう。

それが真のダイバーシティを実現する第一歩だと思います。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

関連記事

  1. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.12 「適…

  2. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.11 「婚…

  3. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.21 「発…

  4. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.4 「失敗…

  5. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.16 「『…

  6. 発達障害専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.1 「障が…

  7. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.5 「『成…

  8. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.25 「仕…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。