発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.23 「マイワールド」

ASD(自閉症スペクトラム)の方がガールズトークやパーティ・飲み会が苦手だという話は良く聞きますが、その原因について、今までは <興味・関心が極めて狭い範囲に限定されるので、その範囲に収まらない、かつ表面的で「薄い話」についていけない> ことだと思っていました。

 

ところが、先日、このような話を聞きました。

 

「大勢の人間が集まる場にいると、疎外感や孤独を感じる」

 

そのこころを聞いてみると、「目の前で世間一般的に楽しそうな会話が繰り広げられているのに、そのことに興味・関心が持てない自分に『私だけ違う』と取り残された気分になる」というのです。

また、そのような飲み会等で消耗したエネルギーは、部屋でパソコンしたりゲームを観たり、好きなことをしていると回復していく。 つまり、マイワールドに浸っていると安心するということのようです。

そして、マイワールドは不可侵の秘密の部屋で、決してオープンにしないのだそうです。

 

ところが、社交的な場にいると、“お前のマイワールドをオープンにしろ” との要求があり、また、定型発達者(健常者)のグループから同調圧力がかかる。 到底耐えられないというわけです。

しかし、アスペルガー6つのタイプのうち、積極奇異型(外向型・感情型・愛着型)などは、マイワールド全開で会話しますので、ASDの方全員にこうした特性があるというわけでもないのでしょう。

 

ところで、以前申し上げたように、「社会的コミュニケーションの障害」の「社会」とは絶対多数の定型発達者(健常者)用に創られた社会を示しています。

多数派は自分たちが生きやすい、働きやすい制度や環境に、発達障害者がアジャストしてくることを望む傾向がありますが、それが出来ないのが「障害」です。

代わりに、定型発達者も障害者もいる「まぜこぜ社会」には、スタイルが違うコミュニケーションが存在することを認め、それに配慮した取り組みを進める方がずっと効率的です。

 

そのことは、拙著「これからの発達障害者『雇用』」でも繰り返し述べています。

よろしければ、参考にしてみてください。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

関連記事

  1. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.21 「発…

  2. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.15 「働…

  3. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.11 「婚…

  4. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.22 「発…

  5. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.14 「フ…

  6. 発達障害専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.2 「こだ…

  7. 発達障害専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.1 「障が…

  8. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.26 「A…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。