ASDの定義について思う事

発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.18 「ASDの定義について思う事」

発達障がいの特性を語る上で、英国の精神科医ローナ・ウイングが自閉症スペクトラムを定義づけた、「社会性の障がい」「社会的コミュニケーションの障がい」「社会的イマジネーションの障がい」は「3つ組の障がい」と言われ、最近は、割と知られるようになってきました。

(現在では、DSM-5という診断基準のもと、「社会的コニケーションの障がい」」と「限定的な行動・興味・反復行動」の2領域に統合・再編されています)

 

しかし、長い間、発達障がいの方と一緒にいて気づいたことがあります。

例えば、当事者会などに行くと、もちろん発達障がいの特性は一人ひとり違って、多弁な方、あまり話さない方の区別はありますが、コミュニケーションはきちんと取れていますし、共感性に乏しいということがしばしば指摘されますが、会話の中では “そうそう” “わかる~!” という声が飛び交い、これはまさしく共感力の発露を示すものです。

 

但し、定型発達者(健常者)を交えたイベントや勉強会などでは、普通そういうことは起こりません。

私が不定期に開催するセミナーでも、ときどき “うん、うん” とばかり、大きく頷いてくれることはあるのですが、それは、うがった考え方をすれば、”定型にしては、よく分かっているじゃないか!” という感じで、当事者会でみる共感とは肌合いが違っています。

 

となると、このことから、自閉症スペクトラム(ASD)の人は、多数派(定型発達の人)の考え方には共感しなくても、少数派(自閉症スペクトラムの人)同士なら共感できる、という仮説が立てられます。

さらに、少数派は多数派の気持ちに共感できず、多数派は少数派の気持ちに共感できない、ということが証明されれば、多数派中心の世の中で、なぜ自閉症スペクトラムの人たちが「コミュ障」と言われるのかは、自明なことのように思われます。

また、「限定的な興味」に関しては、男女関係における「共依存」や「回避行動」のエピソードから、ある程度、説明できそうな気もしています。

 

もう少し、理論づけができたら、お話ししますので、こうご期待ください。

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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