発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.13 「ADHD=狩猟適性説」

現代文明はすべて、古代の農耕文明に起源があります。

 

それまでの狩猟採集社会(仲間社会)は、農業がもたらした集住社会(ムラ社会)で一変しました。

農耕には定住して、作物の種を植え、スケジュールに沿って、日々コツコツと労働することが求められます。

農耕社会では、個人が自由に創意を凝らし、いろいろな手段を用いて収穫を上げることよりも、「こういうものなのだ」という経験に基づく常識思考が大切になりました。

 

それまでに、新しい刺激や変化を求めて、「○○やりたい」の want 思考で行動し、結果を出してきたADHDの人たちの勇敢さや大胆さの必要性は薄れ、農耕生活の習慣的な予定行動に親和性のある、「○○やらなくちゃ」という must思考の健常者やアスペルガーの人たちが重用されるようになりました。

たとえば、時間管理・ライン行動・計画・服従・常識といった、当時の「ムラ社会」でうまくやっていく社交術は、そのまま現代社会においても十分に通用するものとなっています。

 

しかしながら、よく考え直してみると、マニュアル作業のミスなき遂行よりも裁量権が大きくて自分のやり方でやっていい仕事が得意というADHDの特性は、トラブルの種のようにも見えながら、不確実な状況での対応力があると言い換えられます。

その意味では、共感性に少々問題があっても、エモーショナル(情動的)でサバイバル適性がある ADHD の人こそ、IoT時代の複雑な変化についていける「人材」となる可能性は大きいと思います。

 

まあ、「サザエさん」のカツオタイプのADHDもいる事ですし、DSM-Ⅴでは自閉症スペクトラム(アスペルガーを含む)とADHDの併存を否定していないので、過分なカテゴライズ(区分)は意味がないとも思いつつ、なかなか面白い視点なのでご紹介しておきます。

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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