発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.10 「女性のアスペルガー症候群」

女性のアスペルガー症候群は、男性のアスペルガー症候群と比べると、こだわりの強さやコミュニケーションの問題といった特徴があまり目立ちません

 

そのため、アスペルガー症候群だと気づかれずに、医療機関にかかっても見過ごされることも少なくありません。私たちが知っているアスペルガー症候群の特徴は、そのほとんどが男性のアスペルガー症候群から得られた情報です。

 

 

 

女性のアスペルガー症候群の場合は、悩みごとも対処法も男性と異なっています

 

 

女性のアスペルガー症候群の特徴は次のとおりです。

・男性の場合、幼児期からアスペルガー症候群の特徴が見られるが、女性の場合は思春期までスペルガー症候群の特徴があまり目立たない
・思春期になってからも、社会性の乏しさは、男性ほど顕著に出ない。
・何よりも人間関係で悩む
・原因不明の体調不良に悩まされる(不眠、寝起きのつらさ、めまい、頭痛、胃腸の不良など)
・男性にだまされて、性的な被害にあうケースもある

 

 

特に人間関係、恋愛やファッションなど、女性同士の他愛のないおしゃべり(ガールズトーク)が苦手で悩むという話はよく聞きます。

 

男性とは違うと言っても、自分の興味がない話には関心がないのがアスペルガー症候群の特徴ですから仕方がないのかも知れません。

そこそこの会話ですませて、深入りしないようにとアドバイスしています。

 

 

コミュニケーション面で言えば、悪気なく言った言葉が相手を怒らせてしまうということもよくあります。

しかも、なぜ相手が怒っているのか、その理由がわかりません。

 

 

アスペルガー症候群の人は、人の表情から相手の気持ちを読み取ることが苦手です。

そのため、知らないうちに嫌われて、いじめられる場合もあります。

 

 

使ってはいけないNGワード集などを自分で作るのも良いでしょう。

 

 

 

また、特につらいのが体調不良です。

 

アスペルガー症候群の女性には、自律神経失調症のような身体症状がよくみられます。

体質的に神経系の機能不全が起りやすいようです。

 

 

 

アスペルガー症候群は、圧倒的に男性の症例が多く、医療の現場でも、女性のアスペルガー症候群の症例は、あまり知られていません。そのため、女性の場合は、なかなか正しい診断が得られないことがあります。

 

また、残念ながら、大人の発達障害を診断できる専門医は少ないのが現状です。

 

 

私の周りにも、発達障害の正しい診断が受けられなかった上に、症状に合わない薬を服薬して、二次障害を引き起こし、ほとんど「引きこもり」状態になってしまった人がいます。

 

こうなると、専門医に連れて行こうとしても、なかなか困難です。

 

 

 

アスペルガー症候群は、男性が女性の数倍多いとされてきましたが、そうではなく、男女で特性の現れ方が違うのではないかと考えています。

 

今後、アスペルガー症候群の性差による特性の研究が進めば、女性のアスペルガー症候群が見過ごされることなく、今よりもっと適切な対応と支援が受けられるようなるかも知れません。

 

 

そのことを切に望みます。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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