発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.9 「『事業協同組合等算定特例』の特例」

障害者雇用率制度においては、従来の特例子会社制度及びグループ適用(関係会社特例)に加えて、平成21年4月、企業グループ算定特例(関係子会社特例)とともに、事業協同組合等算定特例(特定事業主特例)が創設されました(ちなみに「グループ適用」は、特例子会社がある場合に、それ以外の関係企業を任意に設定できますが、「グループ算定特例」では、特例子会社を設立しなくても良い代わりに、すべてのグループ会社を対象とする必要があります)。

 

 

この事業協同組合等算定特例では、中小企業が事業協同組合等を活用して協働事業を行い、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の認可を受ければ、事業協同組合等(特定組合等)とその組合員である中小企業(特定事業主)で実雇用率の通算が可能となります。

 

個別に障害者雇用を進めることが難しい中小企業にとっては、有効な制度のようにも思われたのですが、実際は事業組合等および特定事業主の要件が「グループ算定特例」と同様に厳しく、ほとんど使われた例を知りません

 

 

 

そこで、東京都が今回作ろうとしている、国家戦略特区の特例としての、行政の認可が不要で、簡単な手続きで設立でき、かつ中小企業などが障害者雇用数を合算できる枠組みが「有限責任事業組合(LLP)」です。

 

 

この枠組みを使えば、障害者雇用のための施設整備を協力して進められる

 

また、障害者雇用の実績がある社会福祉法人などとの連携のもと、中小企業側は新たな事業展開が期待できる上、雇用のノウハウを学ぶことができる。法人側も、企業側からの資本注入が期待できるなど、複合的なメリットが期待できると言います。

 

 

 

これを聞いて思い浮かべたのは、欧州等ですでに運営されている「ソーシャルファーム(社会的企業)」です。

 

欧州では、福祉サービスではなく、企業体として収益をあげることを目的に運営される企業に障害者を雇用することが、国を挙げて進められています。

 

 

その意味では、LLPの制度はとても良いと思いますが、行政を中心に、その制度をどのように社会に定着させていくかという「本気度」が試されるように思われます。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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