発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.7 「対話と会話の違い」

かつて、劇作家の平田オリザ氏が「ニッポンには対話がない」と言われたように、その日本社会の縮図たる企業社会には対話が極端に不足しているように思われます。

 

 

対話と会話は何が違うのか? 一般には次のように言われています。

 

対話:
①異なる価値観のすり合わせ
②差異から出発したコミュニケーションの往復に重点を置く
③他人と交わす新たな情報交換や交流の事

 

会話:
①お互いの細かい事情や来歴を知った者同士のさらなる合意形成に重きを置く
②すでに知り合った者同士の楽しいおしゃべりのこと
③日常会話のおしゃべりには、他者にとって有益な情報はほとんど含まれていない。

 

 

こう比較すると、両者は全く異なっていることがわかります。

 

 

そして私たちの周りには「会話」はあふれていますが、「対話」は少ないことに気づかされます。

 

 

特に「異なった考えの相手の話を聴く」こと、「意味を共有すること」は、相手の価値観を尊重することが大切です。

 

人の捉え方に対して、賛意を表す必要もなければ、いい悪いの判断は必要ありません。

相手を傷つけず、否定しないで受け止めて、意味のズレをすり合わせるプロセスが、コミュニケーションの質を高めることにつながります。

 

 

そして、この「異なった考えの相手の話を聴く」という姿勢は、発達障害者とのコミュニケーションにおいて特に重要です。

 

発達障害者は発達凸凹があるので、こと凹の部分に対しては、教え側の価値観のみを絶対視する一方通行の言葉の暴走がしばしば見受けられます。

 

 

しかし、当事者とのコミュニケーションには、効率よりも効果が大切です。

 

対話によって、「個人的な価値観」を尊重しながら、「社会的な価値観」を作り上げていく段階的な試みが

①信頼構築 ⇒ ②相互理解 ⇒ ③行動促進

を円滑にします。

 

 

そして、私は、そのことが「異能」の発現を促す動機づけになるものと確信しています。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

関連記事

  1. 発達障害専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.2 「こだ…

  2. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.4 「失敗…

  3. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.8 「怒っ…

  4. 発達障害専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.1 「障が…

  5. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.9 「『事…

  6. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.5 「『成…

  7. 発達障がい者専門キャリアカウンセラー

    発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.3 「ゆっ…

  8. 発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.10 「女…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。