発達障害専門キャリアカウンセラー

発達障がい者専門キャリアカウンセラーからのこぼれ話 Vol.2 「こだわりについて」

最近のメディア等で発達障害が取り上げられる機会が増え、その特性である「コミュニケーション障害」「社会性の障害」の説明を通じて、「こだわり」のメカニズムが知られるようになってきました。

 

「こだわり」という、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという強い本能的志向性は、おそらく誰にでもあるものだと思いますが、その対象が一般常識に合致していれば、むしろプラスのイメージになります。

 

例えば、「こだわりの食材」であるとか、「こだわりの空間」といった表現には、上質な趣味性が感じられて、あこがれの対象になったりすることもあります。

 

ところが、発達障害者のように、それが一般常識からかけ離れた対象に向けられ、程度が強すぎると社会生活の障壁となってしまうわけです。

 

 

私が発達障害者の「こだわり」で一番気にしていることは、人間関係のこだわりです。

 

そもそも対人関係というのは、かなり複雑な要素が絡み合っているので、「親友で好敵手」みたいな関係が生じることが往々にあります。

しかし、ここで、その一方である競争(即ち、勝ち負け)に「こだわる」と、仲良し関係が両立しないのでストレスが増大します。

 

たとえば、発達障害のある社員が、人事考課の項目で必ずある「業務遂行力」と「協調性」の間の矛盾に悩んでしまい、自己主張し過ぎたり、自己主張ができなかったり、といったところから調子を崩すこともあります。

 

そうでなくても、「白黒思想」が強く、どちらともつかない中間的な状態が苦手な発達障害者なのです。

 

残念ながら、こうした「こだわり」は訓練で治るものではないので、人事担当者は対象者の「こだわり」にいち早く気づき、その「こだわり」を上手に活かすマネジメントに徹することが求められます。

 

 

幸いなことに、「こだわり」の中身は概ね「好きなこと、得意なこと」なので、相反する部分があったとしても、その部分に対する意識づけは、必要最低限に留めておくことが肝要です。

 

 

 

※ 今回のコラムは、書籍「これからの発達障害者「雇用」: 専門キャリアカウンセラーが教える」からこぼれた、貴重なお話となります。ぜひ、本編もお楽しみください!

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